クリスマスプレゼント

先日、オトナクラブからわたしの夢をみたと
その夢について話を聞かされた。

夢とは時折奇想天外であり
目覚めたときにはディティールを覚えていなかったりする。

しかし、彼はわたしにその夢について
詳しく淡々と教えてくれた。

それが影響してか、わたしもオトナクラブの夢をみたので
ここに残しておこうと思う。





ある日、わたしのもとにひとりの男がやってきた。
彼は高校時代のクラスメートらしいが、名前は覚えていない。
その友人がなにやらとても怒っている。
しかし、わたしに対し憤っているではなく、オトナクラブに対してだ。
なにやら彼はオトナクラブが詠んだ一句、それもアニサキスに対して詠んだ句に対し
その句はアニサキスへの冒涜だといって激怒している。

その一句もどんなものであったか忘れてしまったし
そもそも彼が高校時代にアニサキスに対してどこまでリスペクトしてたかなんて
露ほど存じあげないが彼はかなりご立腹であることには間違いない。

わたしがどうなだめようとしても彼の怒りは全く収まらない。
途方にくれていると、そこにオトナクラブがやってきた。
彼はオトナクラブをみると一目散に殴りかかろうとした。
わたしは必死に彼を抑える。オトナクラブも抑える。
彼の怒りを鎮めるためにオトナクラブと必死に俳句の説明をするが
なかなか理解を示してくれない。
ふたりして困り果てている中でわたしが

「 きみはオトナクラブがアニサキスをいじめていると思っているようだが
  彼だってある男に散々いじめられているんだぞ。 」

いま考えれば、破茶滅茶を言っているが、夢のなかではお構いなしである。
この一言で暴徒寸前の彼がピタリと止まる。
彼にセージのオトナクラブへの所業を教える我々。
さきほどの怒りがなぜかみるみる消えていく彼。

これは成功したのでは?と思っていると一本の電話がオトナクラブにかかってきた。
電話にでるオトナクラブ。電話口からの一方的な話に相槌をうつオトナクラブ。
そこになんとセージが電話でなにかを話しながらこちらに向かってくるではないか。

セージは他には目もくれずオトナクラブを抱え込む。
オトナクラブが必死に抵抗するも為す術も無くやられている。
すると断末魔とともに彼は消え、クラスメートの表情からも怒りが消えていった。
そして、セージの右手には赤くて大きい靴下が掲げられていた。
枕元に置けばこの季節ににはぴったりの大きい靴下だ。
その靴下はすごく暴れていて、時折オトナクラブが顔をだす。
セージはとても笑顔でその靴下を抱えている。
まるで25日の朝を迎えた子供のように。
カメラにその画を押さえようと必死にシャッターをきるわたし。
靴下のなかでもがくばかりのオトナクラブ。
あまりにも衝撃的だったのか、クラスメートの彼は少し怯えながらどこかへ消えた。

ここでわたしは目が覚めた。
起きたわたしがすぐにiPhoneを確認した。
セージと靴下の写真は保存されていなかった。
今日は12月15日。
10日後にはそんな写真が撮れるかもしれない。

メリークリスマス。




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